正常の排尿とは?
正常な排尿とは?(成人の場合)
- 1回の排尿量 200~400mL(コップ1杯分)
- 1回あたりの排尿時間 20~30秒 ぐらいまで
- 1日の排尿量 1,000~1,500mL程度
- 1日の排尿回数 5~7回
- 排尿間隔 3~5時間に1回(活動時)
- 夜間排尿量 一日の尿量の1/3以下
水分をどれぐらい飲んでいるかにより変わりますが、食事以外で摂取する水分量がほぼ尿量となります。
1日で1.5L程度です。1日が24時間、1440分ですので均等で考えると1分間に1ml尿が作られているぐらいとイメージしていただくとわかりやすいかなと思います。
寝ている間には抗利尿ホルモンというホルモンが分泌されて尿を作らないようになっています。年齢を重ねるとともに抗利尿ホルモンが分泌されにくくなり、寝ている間にも尿が作られてしまうようになります。夜間尿量は1日全体の1/3(全体の33%)以下が正常範囲とされています。夜間の尿量が1日全体の1/3より多い場合は、夜間多尿になります。
男性と女性 骨盤内解剖の違い
男性:膀胱の出口に前立腺があり尿道を包んでいる構造になっておりその裏側(背側)に直腸があります。
女性:膀胱の裏側(背側)に膣と子宮があり、その裏側に直腸があります。
男性にある前立腺は精液の一部を作っている臓器であり、また精液の発射台のような役目もしています。射精は尿道を通して行うため尿道を包み込むように位置しています。年齢を重ねると前立腺が大きくなり(前立腺肥大症)、尿道が圧迫されて尿の通りが悪くなり、尿の勢いが悪くなったり、残尿として尿が残ってしまうようになることがあります。男性の場合は、どちらかというと尿はゆるくて漏れるというより出にくい、排出障害、の症状が多くなります。
女性は、膀胱の出口から尿の出口(外尿道口)まで3cm程度ぐらいしかありません。前立腺もなくまた、お産や力仕事で踏ん張ったりが積み重なって骨盤底筋の支えが緩んでくることにより尿が漏れやすくなります。咳やお腹に力を入れると漏れてしまう、腹圧性尿失禁、の症状が多くなります。
当然ながら、男性でも尿失禁、女性でも排出障害が起こることはありますが、解剖学的な違いによる傾向としてご理解していただければと思います。
そのような男性、女性の解剖学的違いもあり、LUTS(下部尿路症状)に対して Male LUTS(男性下部尿路症状)とFemale LUTS(女性下部尿路症状)に分けてガイドラインが作られています。